非抜歯で矯正を行うことができれば、当然「咀嚼能率(ものを噛み砕く能力)」も高くなります。歯の数は沢山あったほうが噛むポイントが多くなりますから、お口の中で食べ物が消化されやすくなり、胃腸の働きを手助けます。また、よく噛むことによって唾液の分泌量が増え、虫歯予防にも繋がりますし、満腹中枢が刺激されることによるダイエット効果や、脳の活性化による認知症予防も期待できます。
年齢を重ねても自分の歯でしっかり噛んで食事ができる生活は、私たちの健康寿命に大きな影響を及ぼしますから、歯科医師は矯正治療に限らず、虫歯や歯周病治療においても、なるべく歯を抜かないように尽力する必要があるのです。
歯並びには、出っ歯・すきっ歯・受け口など、さまざまなお悩みがありますから、矯正治療期間は人ぞれぞれです。矯正装置を付けて歯の移動を開始する「動的治療期間」は、約1年~1年半で、短い方は4ヶ月、6ヶ月で完了する場合もあります。まずは、検査結果から治療方針を決定し、必要に応じて前処置(虫歯や歯周病の治療など)を行いますが、当院ではインプラントを除くほぼ全ての歯科治療に「チーム医療」で対応しており、前処置を他院に依頼することがほとんどありません。インプラントや高度専門治療が必要な場合は、信頼できる提携歯科医院にご紹介しておりますので、ご安心ください。
また、治療時間は毎回2時間前後設けており、治療の途中で歯列の模型を作製し、咬み合わせをチェックしながら進めているため、1回の治療は長くとも、全体の治療時間は格段に短縮されます。通院頻度は3週間間隔が一般的ですが、2週間という短い間隔で来院していただくほうが、効率的に治療が進む場合もあるため、必要に応じて2週間、3週間、4週間と間隔を調整しています。
以前は歯のガタガタを矯正する際には必ずといってよいほど小臼歯の抜歯をしていましたが、現在では不正咬合の考え方とテクニック次第で、多くのケースで抜歯をせずに矯正をすることが可能です。非抜歯治療をすると前歯が出っ歯になってしまうと考えられがちですが、そんなことはありません。不正咬合の考え方と、テクニックの問題です。
ただし、非抜歯治療というのは12歳臼歯までの歯を抜かないということです。通常、非抜歯治療では、親知らずは抜歯することも多いです。
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小臼歯抜歯をしない矯正治療は、抜歯治療に比べて、より短期間で治すことができます。
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大きく口を開くことができず、食事や会話にも支障が出ることがあります。口が開かない状態(開口障害)は、顎関節のずれや、不正咬合(不良なかみあわせ) が原因で起こることも多いのです。
見た目がきれいな歯並びであっても、悪いかみ合わせなのかもしれません。 顎機能検査は、顎関節のずれや不正咬合の治療には必要な検査です。
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